【嵐山町】新緑の嵐山渓谷
【撮影日:2018年4月22日】
子供のころ、しょっちゅう友達と自転車に乗って嵐山渓谷へ釣りに出かけた。
土曜日に小学校の授業が午前中で終わると、塾にもスポーツクラブにも入らないで暇だった私は、同じく暇にしていた友達から釣りによく誘われた。
当時、はやっていた「オランダ仕掛け」という玄人が嫌う釣り方で「オイカワ」とか「ウグイ」といった小魚が釣れた記憶がある。
ある時、岩場に釣れた小魚が並べられていたので、その口に釣り餌のサシ(蠅の幼虫)を詰めてみた。
「地上で魚は餌を食べるのか?」という、あまりにも馬鹿げた実験を小学生の純粋な好奇心から、やってみたくなったのだ。
「最後の晩餐だ」なんてつぶやきながら実験したのだが、喉に詰まらせ窒息しているみたいになるだけで食べるわけがない。
そのうち友達に見つかり
「何してんだよ。焼いて食うんだからやめろよ。」
と文句を言われた。
ほんとくだらない馬鹿なことを私はよくしていた。
とはいえ、火遊び厳禁家庭で育った私ともう一人の友達は魚焼きには加わらなかった。そのためか、その後のことはよく覚えていない。たぶん、おいしくなかったのだろう。
先日、下流の土手へ花見に行った時、ふと懐かしく思い出し、久しぶりに嵐山渓谷を歩いてみた。
子供の頃は岩場を大きく感じたが今ではそうでもない。それより、週末だったからなのか、近くのキャンプ場には利用者がたくさんいて驚いた。
私が小学生だった頃は、週末でも自分たちの他には誰もいなかった。廃墟となってしまった旅館が当時はまだ残っていて、誰も寄りつかなかった。
最近はだいぶにぎやかになってきて良かったと思う反面、ひと気のなかったあの頃は、とてもぜいたくな時間だったな、とも思っている。
《嵐山渓谷のGoogleマップ》